家系図製作の手がかり・漢字について

戸籍に出てくる文字・漢字が読めない!

戸籍を入手して、「さあ、ご先祖様はどんな名前でいつ生まれたのか」と思い除籍簿をみてみると、「読めない!」と思う方もいると思います。戸籍簿は手書きの上、達筆で、現代では使わない旧字や多角数字、旧仮名を使っていたり、癖があったりととにかく読みづらいことに気がつくと思います。

そんな戸籍に出てくる漢字には、よくみてみると現代では使わない表現や、ルールがあることがわかります。

 

まずは旧字体の数字からトライ

私たちは普段、数字はほとんど横書きに慣れていると思います。縦書きの数字漢字は、教科書や文学作品くらいでみたことがある程度ではないでしょうか。

しかし、戸籍を見ていただくと、当然ですが住所、生年月日、続柄など全て漢字です。まずは、分かりやすい数字から解きほぐしていくとよいでしょう。

そもそも、なぜ同じ漢字でも「一、二、三」などを使わなかったのでしょうか。

それは、「一」に縦一本棒を足すと「十」になるなど、改ざんが容易になってしまうので、単純な字形の漢数字の代わりに「大字(だいじ)」という漢数字を用いていたためです。今でも、法的文書や会計書類には使われています。ご祝儀などで書いたりすることがあったのではないでしょうか。

しかし、昔の戸籍は現在使われている常用漢字ではなく、旧字体の漢数字です。さらに難解に感じてしまいますね。

難しいものですと「一」は「壹、壱」、「四」は「肆」、「八」は「捌」などです。同じ漢数字でも数種類あることもありますね。

代表的な旧字体の漢数字は、インターネットでも簡単に調べることができますので、参考にして下さい。

旧字体(旧漢字)・新字体(新漢字)対照表

 

平仮名の異体字「変体仮名」

戸籍を見ていただくと、「戸主の事項欄」部分が全て漢字(のようなもの)で記されていることがあると思います。

これは平仮名が「変体仮名」で書かれている可能性が高いです。

引用:みんなの知識 ちょっと便利帳

「変体仮名」とは、現行の平仮名とは異なる字体の仮名で、明治33年(1900)に「小学校令施行規則」で統一された平仮名の字体以外の仮名文字をいいます。

日本語の平仮名は、ご存知の通り漢字から作られています。諸説ありますが、9世紀ごろ「万葉仮名」を崩した文字が、平仮名の元になったとされています。そこには様々な漢字から同じ音の平仮名が生まれました。例えば「あ」は、「阿、安、悪」という漢字から生まれたたくさんの「仮名」が存在していました。

そこで、明治33年に学校教育で統一され、現在使われている標準の字体50音以外は使われなくなっていきました。しかし、統一される前から使っている大人が、急に異体字を使用しなくなることは難しいですよね。戸籍にはそんな異体字の平仮名で表記された文章が残っているのです。また、使われているのが分かりやすいのは、主に女性の名前です。名前の仮名の使われ方にも、時代やこだわりがあったのかもしれません。

「さいとう」さんはどの文字ですか?

身近に「さいとう」さんがいる方は、どの「斉、斎、齊、齋の字を当てるのか悩まれたことがあるのではないでしょうか。

実は、「さいとう」という文字はもともと1つの「齋」から来ているといいます。「斎」の旧字体である「齋」の意味は「齋(いつき)」で、物忌みや潔斎で神仏に仕えることを意味します。

 

平安時代に藤原北家の藤原叙用(ふじわらののぶもち)が、伊勢神宮にある齋宮頭(さいぐうのかみ、いつきのかみ)を務めたことが始まりとされています。

「齋藤」に使われている「藤」の字を使う氏名も、ほとんどが藤原氏からきているといいます。つまり齋藤さんは職業の「齋」と氏族の「藤」からきている氏名なのです。

しかし字画の多い「齋」は複雑で、署名も崩して使われることが多く、次第に省略されるようになります。そこで漢字の意味は違いますが、似た字である「斉」が使われたり、「斉」の旧字「齊」が使われたりするようになったといいます。

その時期は主に明治時代、戸籍簿に名字を登録する際に口頭で漢字を伝えることや、文字の書き取りが不得手な役人が記載したことによる間違いが多かったためであったといわれています。そのため、今の多彩な「さいとう」さんが登場することになったのです。

 

まとめ

戸籍を読み解くのに、つまずいてしまうことがあるかもしれません。

しかし、当時の文字の使われ方にも、今と違うルールや法則がありました。手書きで書かれている細かい文字を判読するのは、大変困難かもしれませんが、今と違う文化や使われ方を知ることで、当時の先祖がいた時代に思いを巡らせてみると、違う視点が生まれるかもしれません。

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