家系図作成を取り巻くニュースを紹介

今、家系図を作成する必要性

近年、自分の家系を遡ることが難しくなっています。それはいくつかの要因が重なっているためです。

過去の情報は、時間が経てばたつほど得ることが難しくなりますし、情報自体が削除され存在しなくなることもあります。今回は、家系図を取り巻く状況について、様々なニュースや情報から探っていきます。

 

お墓がなくなる?埋葬方法が変わってきた

お墓は、自分の生まれや先祖を敬う気持ちを感じるだけでなく、自分の先祖をたどる上で貴重な情報源であり、昔から地域にある宗教施設としても多くの情報を持っている場所です。

しかし近年は、

  • 死生観や宗教観の変化、氏子、檀家という地域の繋がりが薄まってきた
  • 墓の維持が難しくなった

といった理由から、墓を持たない家や、墓をやめて新たな埋葬方法を選択する人が増えています。

その1つとして、自然葬と呼ばれる、海や山に散骨する方法や墓の代わりに樹木を植えるなどする葬送方法です。

自然葬とは「墓地に埋葬せず自然に回帰させる葬礼の方法。広義では土葬、風葬、水葬、鳥葬などを含む(ブリタニカ国際大百科事典)」とされていて、背景には自然回帰への願望や「葬送の自由」という気運の高まりがあります。また、ライフスタイルの変化などにより、ペットの動物と一緒に埋葬して欲しいという希望も増えているようです。そうすると、先祖代々の墓に入ることは難しいでしょう。

そして、この自然葬による埋葬方法は基本的に一代限りになり、場合にもよりますが故人の情報はほとんど残りません。戸籍簿を取得する以外に知る方法はなくなる可能性が高いでしょう。寺などが管理することもない場合は、一層難しくなります。

 

▼関連記事▼(外部サイト)

東洋経済ONLINE「変わる葬送、「海洋散骨」が静かに広がる事情」(2018/10/07付)

sippo「里山にペットと一緒に眠れる、樹木葬の寺 墓守は7匹の猫たち」(2018/05/20付)

 

戸籍簿が廃棄されている場合がある

平成22年(2010)に戸籍法施行規則の改正があり、現在は除籍謄本(除籍簿)の保存期間が150年になりましたが、それ以前には基本は80年、場合によっては50年や100年と保存期間はバラバラなこともありました。

近年の地区町村の整備や役所の移転、災害によっても昔の古い除籍簿から整理・廃棄している可能性があります。また都心部では空襲などもあったため、焼失してしまっている場合もあります。除籍簿は、家系図を作成する上においても、場合によっては200年ほど遡ることができる情報源です。出来るだけ早くに、できる限り昔の除籍簿を取得する手続きを取ることをおすすめします。

 

土地の名前が変更されていく

近年、新興住宅の開発や大規模な区画整理などにより、土地の名前が変更されている場所が数多くあることを知っていますか。「災害時に危険な名前の土地」などと話題になったことがありますが、それだけでなく、過去にあった施設、例えば刑場や埋葬地だった場所は、名前には関係なくても土地のイメージが良くないために変わることが多いです。

例としては「〇〇ヶ丘」や「△△台」などは少し高台にある新興住宅地に多い地名ですが、土地の由来に関わらずほとんどに旧地名があります。

旧地名は、名字の由来に関わる場合が少なからずあります。その為、名字をたどって行くと、先祖がどこか別の場所から越してきたことがわかる場合があります。その土地の名前が旧地名で、更に何度も名前を変更している土地ですと容易に判明することは難しいでしょう。

現在であれば、まだその土地の由来を知っている人が存命である可能性がありますが、あと数年、数十年後にはわかりません。

 

▼関連記事▼(外部サイト)

YOMIURI ONLINE「洪水危険、土砂崩れ注意…「地名」は警告する」(2018/7/30付)

 

地方図書館の閉鎖や合併が続く 郷土史や古書廃棄の危機

古い土地のことを調べるのに便利な図書館。その土地に大学などがあれば、大学の図書館を利用することもあるでしょう。しかし、地方自治体の財政難により、その地域の公的機関が図書館などの施設を維持できず民間事業者に受託されたり、場合によっては図書館を閉鎖したりしています。

その場合、あまりに古い書物や収容できない書物は、譲渡や売却、場合によっては廃棄処分されていることもあります。予算があればデジタル化していることもありますが、何年も貸し出しが行われなければ要らないという判断をされて、捨てられていることが少なくないようです。出版されているものは国会図書館を使って閲覧ができますが、地方史や郷土史はそうでない場合も多いです。

家系図を辿る時、古ければ古いほどどんな情報でも重要になる可能性があります。個人でそれを調べるのは大変ですが、その土地の図書館で知っている方がいれば、その地域の出来事を辿るヒントにもなります。しかし、地方自治体も大学でも、経費削減により現状を維持することもできない状況が浮き彫りになってきました。自分の調べたい土地が、運悪くそのような状況になっていないことを祈るばかりです。

 

▼関連記事▼(外部サイト)

京都新聞「桑原蔵書廃棄が問うもの 古書店主「行き場なき現状に危機」」2017/12/11付

千葉日報「千葉県立図書館、1館集約へ 利便性向上、経費節減も 2館は譲渡など検討 千葉県教委方針」(2017/12/9付)

 

まとめ

家系図を作ろうと思い立つ理由は、人によって様々でしょう。しかし、現代をとりまく状況が、過去を遡ることを年々困難にしています。

過去を辿ることや故人を探すことは、ただでさえ難しいですが、そういう意味では、現代は過渡期なのではないでしょうか。出来るだけ早くに、出来るだけ多くの資料を集めることが、今もっとも必要なことです。

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